2024年03月03日

不妊症に悩む人へ




WHOの報告書で、世界全体で成人の約6人に一人が不妊を経験しているとの記事を読みました。
最近では不妊という課題の前に、そもそも結婚自体を選択しない人も増えてきたようですが。


記事に戻って、WHOの専門家は「不妊症はすべての国、すべての生活の場で多くの人に影響を及ぼす問題」と指摘していると書いています。
また、
「不妊症には質の高い治療へのアクセスを拡大する必要性」を強調しています。

でもちょっと待って。
子をもたない選択をすることについてはここでは触れておらず、ましてや治療しても子が授からない人はどう思うだろう。

「すべての国、すべての生活に影響があるから治療すべき」などと発信されると、不妊治療のために長い年月を、言葉にならない程の心的苦痛と肉体的負担、また当時は多額の治療費がかかった経験をもつ私などは、つい反応してしまうのです。
もう40年も前のことですから、私自身はもちろん昇華していて、子のいない人生を自分自身が選んでいたということも、その数年後に気づき納得しているのですが。


ただ、相談業務をしていく中で、当時の自分と同じように悩み、辛い思いをしている人に出会うことがあるのでこの記事を入れることにしました。

こんな時代になってもまだ多くの人は、成人したら適当な時期に結婚し、家を建てて子をもうけ・・・なんていうイメージをもち、まるでそれが正当な人生だとまで思いこむのでしょうか。

私自身、1回目の結婚をした24歳のときはそうでした。
不妊症の自分と結婚をしたばかりに、配偶者まで親になれない、 親に孫を抱かせてあげられない、
封建的な環境であったこともあり、「跡取りが産めない嫁」の
レッテル貼り・・・・・
等々、今ならまったく考えもしないような自責の念にかられていました。

レッテル貼りも、自責の念という不合理な信念も、
自分がつくりあげた幻想だったということは後になってわかる訳です。
のたうち回りながらひとり芝居をしていたってことです。


不妊治療を始める前に担当医は言いました。
治療をすれば妊娠するという保証はありませんが、
何もしないより若干、期待度は上がるでしょうって。

その時は何が何でも子ども、と思い詰めていたので
「若干」にでもすがるのです、患者は。
そして5年間のキツイ不妊治療を続ける中、副作用による急激な体重増加、肝臓障害、ムーンフェイス等々の症状と、それでも妊娠しない悲観、高額医療費の経済的な圧迫などで
ついには離婚に至りました。



人並み、他人軸、世間などというメガネで自分の人生をどんどん壊してきたの、私の若いころはね。
当時の私はその選択肢しか知らなかった、
子がいなくても心豊かな人生があるなどという情報がなかった
 というか、あっても気づかなかった、
他には考えられなかったから一心不乱に不妊治療に突っ走った。

そしてついに、夫婦という形までを手放すことになった・・・

  「なにしてるの、あんた、
   何のために子どもをもうけようとしてるの?」
ってその頃の私に言ってあげたかったよ (^_^;)



もし、あなたの気持ちが「自分の赤ちゃん」に呪縛されているとしたら、それは何のため?ってやさしく自分に聴いてあげて。

追い詰められると (自分で追い詰めているんだけど)
人は目的と、それを実現するための手段や方法が
こんがらがって一括りになり、糸口が隠れてしまうときがあるから。

自分自身からの声を素直に受け取ったら
幸せは結婚でも、子どもでも、世間体でもなかったわー
ワッハッハー(^O^) って無邪気に笑えるよ、
そんな時が迎えられることを伝えたかった。



不妊症に悩む人へ








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