2010年11月01日
的を得る
10月27日の夕刊に、菅総理が名古屋で行われていた生物多様性会議で、
発展途上国の保全活動を強化するために、
今後3年間に渡り20億ドル(1600億円)を追加支援することを決めたことが載っていました。
「日本の面積の3分の1に当たる森林が毎年地球上から消えている。
人間活動が大きな原因で、このままでは自然の恵みが永久に失われる」として、会議でも激しく対立する途上国と各国に合意を呼び掛けたらしい。
あなたはこのことをどんなふうに思いますか?
「自分の国も赤字なのに、他の国を支援している場合じゃないやろ」
「日本も貧乏だけど、まぁ、途上国支援なら仕方ないか」
「人道的にそれは当たり前、もっと多額でも良い」
「技術とかの支援で、その国が経済的な自立ができるようになれば良い」
「途上国に対し、何を合意させたいの?」とかかな?
他にはどんな意見があるかな?
「人道的に妥当」とか、「途上国支援なら仕方ない」とかと考えた人は、
なぜ途上国だったらしてあげようと思いますか?
私も20年前の結婚を期に、フォスターペアレントとして“途上国”の子どもへの支援としてお金を送金していました。
でも、その国においての“支援”の内容を知るにつけ、
また先進国がそれらの国々に対してやっていることを吟味した時に、
“途上国”支援は先進国の価値観でおこなっては裏目に出てしまう、
という気持ちが込み上げてきました。
当時、我が家のフォスターチャイルドだったネパールに住むビジャイという1歳にも満たない男の子や多くの子どもたちに対し、
日本の私たちができる的を得た支援は何なのだろう・・・
何ヶ月か考えたあげくに出た結論は、
「自然資源の豊かな“途上国”から、
彼らの生きていく糧を搾取するような今の生活をやめよう」
ということでした。
食料にしても、石油資源にしても、依存しているのは日本やん・・・
生きるために不可欠なものを日本で自給できるようになれば、
ひいては、最も有効な、彼らが望む支援になるんだと思ったのです。
さぁそれからというもの、
当時住んでいたショウシャな住宅街では田畑がない。
では!ということで、近くの公園の斜面を耕し始めたあおいさん。
それをきっかけに半農半Xの暮らしがはじまったのですが、そのお話はまた今度。
それ以来私は、誰かに何かをしてあげる時、
そのことがほんとうに相手の欲していることなのか、
ということを考えるようになりました。
相手に望まれたことを躊躇なくやってしまう方が、簡単で楽なことっていっぱいあります。
でもよ~く考えてみると、
自分の在り方を正すことで、そもそも相手からそのような要求が生まれなかった、ということも実はいっぱいあると思います。
たとえばこの支援と、日本が実際に途上国に対して行っていることを考えてみると、
途上国の森に火を放ち、一方では、その火を消すための消火器を届けていることに等しいような気がします。
そしてこのたびの追加支援は、
この先も火事は大きくなる予想なので、
もっと消火器を贈りましょう、ということと同じやおへん?
いや、乱暴な例えでごめんなさい。
でも、身の周りでもこんなことって、いっぱいありますよ。
だからね、
もともと火を放たなきゃいいのです。
的を得た生き方をしていると
的を得た答えが出るし、
的を得た応え方が周囲にもできる。
まぁこの人生、あと何年生きられるのかわかりまへんけど、
大事なことをはぐらかさずに生きていけたらいいいなぁと
あたしは思てますねん。
『再生』